随分とご無沙汰でした。

 先日、JA青壮年連盟の全国大会というのが日比谷公会堂
開催されまして、私も遠路はるばる東京を訪れた次第です。
 ビルの谷間から見上げる青空、ってのもなんだか胸に
迫るものがありますね。

 それで、まあ一番の話題は「TTP交渉」でして。

 ぶっちゃけ、周りの農家みんなが「断固反対!!」って
言ってるワケじゃなくて。流れとしてその方向へ向かってる
のなら、農業界もそれに向けた対策を模索すべきだろう。
 という意見も耳にします。

 だ・け・ど。


 農協がそれを言っちゃあいけないワケでして。

 そんなこと言った日には、「農家潰すんかコノヤロー」とか、
「農家のアガリを掠め取ってるクセに」みたいにガッツンガッツン
突き上げられるのがオチ。
 まあ、実際にTPPに参加しちゃったら農家への影響も甚大でしょうし、
そこに大いに関わっているJAにしたって、これは大変な事態を
引き起こすであろうことは容易に想像出来るワケでして。

 やっぱ「断固反対」なんです。

 となると、青年部だって「反対」って言わざるを得ず。

 でも、なんとなく全員が一致団結して。っていう雰囲気でも、
ないんですよねえ。
 実際問題として、不安を抱えつつじゃあどうすればいいんだよ、って。

 途方に暮れてるのが実態だったりします。


 だけど、全国大会で全国の盟友が集結してますので、デモとか。

 やっちゃいましたよ。官庁街をトラクター先導に。千人規模のデモを。


 丁度お昼時で、サラリーマンの皆さんが多く歩いてます。そこを
シュプレヒコールを上げながら青年農業者が行進していきます。


 もう、面白いくらい無反応。

 やっぱりね。

 全国大会も無事終結しまして、その後私は以前暮らしていた街を
訪れて、かつての友人達と食事をしたのですけど。
 私などは、周囲でこの「TPP問題」が当たり前のように交わされてる
ので、もう自然な話題となっているのですが。

 友人の、誰一人として「TPP」を知りませんでした。


 やっぱりそうなんだな。

 普通の、一般消費者にとって。間違いなく重大な問題なのだけど、
でも全く関知していない。国産がダメなら輸入すればいいんじゃない?
 くらいの認識は持ってるのかも知れないけど。安いんなら輸入で
いいんじゃね?とか。

 野菜を手に取るなら、安心安全な国産がいい。とは言うけど、
でも外食とか加工品には低価格を求める。
 安心安全な国産野菜も、別に毎日は食べなくてもいい。

 欲しい時だけ欲しい。

 だけど、欲しいと思ったときには、もうないかも知れない。

 そういうことを、消費者は考えてないというより、知らないんですね。

 そこにどうやって情報を与えるか、周知させるか。

 それが肝要なんだけど、とにかく「反対反対」って声高に叫ぶ
のが先行しちゃってて。
 「農業vs工業」みたいな図式に単純化されちゃうんじゃん。


 間違いなく、多くの国民の関知しない状態でTPP交渉へ突入するでしょう。

 私はそれが怖いと思ってるんだけど、そういう不安を抱くことのない
「無知」は、こういう場合は「罪」だなあ、と思ったりしてます。

 

 この冬の寒さで、ストックも平年より1ヶ月遅れのピークです。

 しかも、寒さで葉っぱがやられてしまい、枯れてしまって出荷も
ままならず。

 正直、今年の冬は厳しかったです。

 長ネギ、ブロッコリー等の露地野菜も。雪で多くがダメに
なるし。

 ただ、宮崎の度重なる災害には。本当に胸が痛みます。