大阪デンジャラス

 先日、取引先の「なにわ花いちば」を視察してきました。

 年に一度の慰安旅行・・じゃなかった、視察研修旅行です。


 我々の産地は、生産者が3人のごくごく小さい産地ですが、
担当者が鳥取出身ということもあって、他の産地と同等に
扱ってもらっています。
 なんせ、3人なので物量が少なく。問屋さんや花屋さんの
要求に応えられないケースが間々あって、それが我々の
大きな課題となっています。

 大産地はね、その点有利です。

 ただ、少数であるメリットも大きくて。

 一番は、市場の要求に迅速に対応することが出来る。

 「今こういう状況なのでこういう荷姿にしてくれ」

 といわれたら、次回出荷ぶんから対応します。

 これが、大産地だと難しいんです。生産者が多いと、
小回りがきかない。皆が右へ倣えで「よしそうしよう」
とは言わない。
 絶対文句を言うヤツが出てくる。


 3人だと、選別も自ずと厳しくなります。だって、
責任が重いから。

 大産地だと、中には選別がユルイ生産者が
出てきてしまいます。「自分だけならバレないだろう」
と、品質の悪いモノを紛れ込ませてしまったりします。

 それが、産地自体の評価を落として。みんなに
迷惑かけて挙句自分の首をしめることになるのに。


 大産地だと、市場の要求が直接末端の生産者に
届きにくい、ということもありますね。

 どうしても、担当者と役員との会談になって。


 その、「想い」が伝わらないんです。


 結局。

 商品の良し悪し。それに尽きるんですけど、
それに加えてやはり人間同士のお付き合い。
 それが大いにモノを言うことになるんだなあと。

 必死に、良い品を出荷していれば、その「想い」
は市場にも届きます。そういう「必死」の商品の
前では、市場担当者も「必死」で売ってくれます。

 その市場の「必死」を、花屋さんは買ってくれて・・

 という、その「想い」のリレーがお互いの信頼を
深めていくんだなあ。


 そうやって、「想い」を込めた花を。一所懸命
売ってくれたら我々生産者も本望だし、嬉しいです。
 市場も、そういう「想い」の篭った一所懸命の
花が届いたら、たぶん嬉しくて本気で売らなきゃ、
って思ってくれるハズ。
 花屋さんだって、そんな「想い」の篭った
花を手にしたら。どうにかしてお客に届けたい
って一所懸命売ってくれるだろうし。

 その花を最終的に買ってくれた消費者が、
「綺麗だ」と喜んでくれたら。そこに届くまで
に関わった全ての人達が報われる。

 全ての人達が、「良かった」って喜べる。


 つまりは、そういうこと。

 高く売れる、というのが嬉しいというのも、
確かにあります。それは否定しません。

 だけど、それだけじゃしんどい。

 やっぱり、食べて「美味しい」って言って
もらえる、とか。花だったら「綺麗」って喜んで
もらえるのが、一番報われます。
 「作って良かったな」「また頑張ろう」って、
モチベーションが高まります。


 残念ながら、この頃では生産者と消費者。

 その間に様々な人達、業者が介入してしまって、
その間の意思疎通というものが困難になっています。
 そうなると、消費者のニーズが生産者に伝わらない。

 或いは、生産者の想いが消費者に伝わらない。

 そうして、野菜も花も。工業製品と同等に扱われ、
形が悪いと見向きもされない。規格に忠実でなければ
ならない。



 生産者の想いを、どうにかリレーして消費者に
届けていきたい。

 それを強く感じた視察でした。



 遊んでばかりいるワケじゃあないんですよ(笑


 ・・まあ、NGKとか行きましたけどね。